2016年11月26日

湯川秀樹 「創造への飛躍」

長岡先生の休学
湯川秀樹 「創造への飛躍」
長岡先生の休学(昭和四十二年二月)より





 人間の一生の中のある時期に自分の生きてゆく道がきまる。
少なくとも一度は、どの道をえらぶかについての決定がなされねばならぬ。
 といっても、もちろん自分で決断する機会があたえられるとは限らない。親のいうとおりにしたとか、自分で考える能力のない小さい時に道がきまってしまっていたとか、あるいは経済的な事情によって、自分の希望する道が到達不可能だったとかいう場合が、過去においては非常に多かったであろうし、今日でも少なくないであろう。




 私などは仕合わせな人間で、大学教育を受けうる家庭的環境の中で、高等学校在学中に、自分の意思で物理学者として一生をすごすという決断をすることができた。それは大正の末期であった。それは私にとって、そんなにむつかしい決断ではなかった。
 それにくらべると、私よりずっと前の年代、特に明治二十年ごろ以前に青年期を迎えた人たちが、科学者となる決断をするのは、容易なことではなかったはずである。なぜかといえば、私たちの時代には、すでに多くの先輩の日本人科学者が実在していたのに反して、明治二十年ごろ以前には、科学に関しては、外国の学者から教えてもらって習い覚えるとか、外国の研究を追試するとかいう以上のことが、まだほとんど何もなされていなかったからである。

そういう時代に科学者となる決断をするに至った青年たちの心境は、どんなものだったのか。
 人によって、また選んだ専門によって、いろいろな違いもあったろうが、しかし、それらの間の違いよりも、それらと私たちの場合との違いの方がずっと大きいのではないか。そんなことをかねがね私は漠然と考えていた。

 ところが、つい先ごろ私はこの点に関する非常に興味ある文献が残っているのを知った。
それは長岡半太郎先生が八十五歳でこの世を去られる数年前に書かれた「中学卒業後の指針」と題する開成中学での講演の原稿である。その中に次のような文章がある。

 「私の時代には大学に入る予備校すなはち今の高等学校には、文理の区別はなく、今日より選択には幾分の余裕が存しましたが、私は一時相当に苦しみました。(…中略…)大学に入りて一年経過いたしましたとき、多少欧米で研究された事項を了解いたしましたが、自分は他人のなした後を追うて、外国から学問を輸入し、これを日本人間に宣伝普及する宿志ではありませんでした。必ずや研究者の群れに入りて、学問の一端を啓発せねば、男子に生まれた甲斐がない」
 ここまでは、私が物理学の研究者になろうと志したのと、大して変わりはない。大正末期と明治二十年ごろとの大きな違いは、その次の文章に、はっきりと現れてくる。

 「東洋人は研究に堪能でないか否やを明白にして、しかる後おもむろに将来の方針を一定するが得策であると考へました。まだ春秋に富んでいるから、一年を棒に振ったところで損をすることは僅かである。もしあやまてば取り返しのつかぬ事態に遭遇するから、決然一年休学を願い出て、支那における科学に関する事項を調べてみました」
 はじめて、この文章に接した時の私は、驚愕の念を禁じえなかった。
二十歳になるやならずの青年が、自分の前途を決定するために、決然として大学生としての一年間を棒に振る。
常人の考えることではない。考えても容易に決行できることではない。




 さて大学生、長岡半太郎氏の休学一年間の調査の結果は、次の文章で示されている。
 「支那における渾天儀(天文観測機)、暦法、指南軍(黄帝)、北光の観測(山海経)、有史以前に属します。○戦国時代恒星表(石氏、甘氏)、太陽黒点(?)、天の蒼々たる、これ本色か(荘子)、微分の観念(恵施)、共鳴の実例(荘子)、雷電の説明(荘子)、エネルギーの概念(荘子)(二千三百年前)、金属の研究、○銅錫の合金(礼記、周公、二千九百年前時代)、鉄製刀剣(二千二百年前)。大砲と解釈される霹靂車、すなはち火薬の利用(千七百五十年前)。ことごとく支那独創的のもの。ギリシャ、ローマより渡来せるにあらず。」
 かくして得られた結論は、
 「これほどの研究があるからには東洋人でもこれに専念すれば終に欧米に遜色なきに至らんと確信を得るに至りました。これが私をして物理学に執着するに至らしめた根源であります」

 長岡先生の出発点が、このようであったればこそ、果たして明治三十七年(一九〇四年)には世界の物理学者に先駆けて原子模型に関する論文を発表するに至ったのである。
今にして思えば、このような大先輩を日本人の中に見出していたことが、大正末期の高校生であった私をして、迷うことなく、物理学研究の道を選ばしめる要因の一つとして大きく作用していたのではなかろうか。

 最近の中国古代の科学史の研究の成果が、長岡先生の調査結果を、どこまで裏書しているかについて、私はまだ詳しく検討していないが、少なくとも「当たらずといえども遠からず」といってよいであろう。
先生は特に「荘子」が好きであったらしいが、私自身も「荘子」の愛読者である。そこには偶然の一致以上の理由があるに違いない。

 この講演の原稿の最後は、もしも調査結果が思わしくなかったと仮定した場合、どの道を択んだであろうかと問われたなら、 「恐らく東洋史を攻究したらうと思ひます」 という文章で終わっている。
この数年来、日本や東洋や、さらには人類全体の歴史に対する関心が、とみに強まってくるのを感じている私は、この最後の文章にも「なるほど」と相槌を打ちたくなるのである。

湯川秀樹 「創造への飛躍」
長岡先生の休学(昭和四十二年二月)より








  


Posted by 超音波システム研究所 at 20:17Comments(0)ブログ

2016年11月26日

超音波実験写真 No.6

超音波システム研究所は、
YouTubeに、
 超音波に関する実験写真:スライドショーを投稿しています。




超音波実験 Ultrasonic experiment

 1:キャビテーションと音響流の制御技術

 2:超音波専用水槽の製造、液循環制御技術

 3:間接容器・治工具の設計・応用技術
 
 4:マイクロバブル・ナノバブルの応用技術
 
 5:超音波の測定・解析・評価技術


 上記に関する「超音波実験」写真:スライドショーを投稿しています。





<<超音波実験写真>>

https://youtu.be/cVn3FpPhlhc

https://youtu.be/ycqitx1YaA0

https://youtu.be/LeoiJlLBaRM

https://youtu.be/8xeRXoLIQg4

https://youtu.be/rCaZEtW4NoU

https://youtu.be/AFs_1SQ0GBA

https://youtu.be/AxK426M1FDY

https://youtu.be/yqNGisLWbKw

https://youtu.be/ImUC4yiZQ2o

https://youtu.be/fClj_RyfAHA

https://youtu.be/AzrYR-Kn4j0

https://youtu.be/gUJk_Tq0VcA

https://youtu.be/a1GpZB6p0bw




https://youtu.be/GcCd0g0GN6c

https://youtu.be/nOyf0UaYzl0

https://youtu.be/toU_7yQ6sD0

https://youtu.be/-HrudC1DwL4

https://youtu.be/wnMuDEExOAk

https://youtu.be/nQ6PJ0M_w78

https://youtu.be/riiDCBDySrM





参考

超音波測定解析システム
https://plus.google.com/collection/AKpRv

超音波洗浄システム
https://plus.google.com/collection/kDgz-




3種類の異なる周波数の「超音波振動子」を利用する技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=3815

2種類の異なる「超音波振動子」を同時に照射するシステム
http://ultrasonic-labo.com/?p=2450

デジタルカメラによる
キャビテーション写真を利用した超音波制御技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=1461

超音波実験写真
http://ultrasonic-labo.com/?p=2005

間接容器と定在波による
音響流とキャビテーションのコントロール
http://ultrasonic-labo.com/?p=1471

超音波発振・計測・解析システム(超音波テスター)
http://ultrasonic-labo.com/?p=7662

超音波の伝搬状態を利用した部品検査技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=3842

表面弾性波の利用技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=7665


















  


Posted by 超音波システム研究所 at 16:19Comments(0)超音波技術

2016年11月26日

超音波洗浄技術

超音波洗浄技術

<<参考動画1>>

 http://youtu.be/Ri8m3ekrYcs

 https://youtu.be/T7LhrzOTthk

 https://youtu.be/_4AIluySj34

 https://youtu.be/weQ-kSVQkAc

 https://youtu.be/_q74j2JGsfI






超音波システム研究所は、
オリジナル装置:超音波テスターにより
 新しい「超音波洗浄技術」を開発しました。

今回開発した技術により
 複数の異なる周波数の「超音波振動子」を利用する場合、
 「超音波の非線形現象」による
 超音波のダイナミックな変化をコントロールする
 明確な「指標」を確認(設定)することが可能になりました。

特に、
 高調波に関する超音波の伝搬状態の特徴を検出・把握することで
 精密洗浄に対する効果的な
 制御(液循環、治工具、洗浄物の固定方法、・・・)が明確になります。

従って、適切・あるいは有効な
 超音波周波数の選択や
 異なる周波数の振動子の組み合わせ・・を決定できます。

これは、洗浄・表面改質・化学反応の促進・・・に対して
 目的に合わせた
 効果的な超音波利用技術です。








<<参考動画2>>

https://youtu.be/35GGPzVbjz0

https://youtu.be/pfeEOGblcQw

https://youtu.be/2p5yHqCn0HE

https://youtu.be/sZvcFWGIdYw

https://youtu.be/nwAhK8patJk

https://youtu.be/nhdA_EOrk4A

https://youtu.be/26Utz6zhRTM










超音波システム研究所
ホームページ  http://ultrasonic-labo.com/


超音波装置の最適化技術をコンサルティング提供
http://ultrasonic-labo.com/?p=1401

超音波水槽の新しい液循環システム
http://ultrasonic-labo.com/?p=1271

現状の超音波装置を改善する方法
http://ultrasonic-labo.com/?p=1323





  


Posted by 超音波システム研究所 at 12:14Comments(0)超音波技術

2016年11月26日

金属粉末に対する超音波照射技術

金属粉末に対する超音波照射技術を応用開発




超音波システム研究所は、
超音波洗浄に関した、対象物から除去した汚れの、対処技術を応用して
 細かい金属粉末・・・に対する
 超音波を利用した「ナノレベルの粉末を取扱う技術」を開発しました。

これまでに、開発した
 超音波制御技術と計測・解析技術により
 対象となる粉末に合わせた
  対象物・治工具の超音波伝搬状態を最適化することで、
  ナノレベルの粉末処理を実現させました。






複雑に変化する超音波の状態について、
非線形性の解析技術によるダイナミック特性の制御により
 各種粉末の攪拌・分散・移動・・に対処します。

対象物の特徴・材質・数量・治工具・・・により
 個別の具体的な技術になります。

この技術は、洗浄液の乱流現象に関するカオスについて
 音圧変化のデータを、
 定在波との関係について解析・検討する中で応用開発しました。


なお、技術ノウハウの具体的な対応・・・を
 コンサルティング事業として、展開しています。




参考

 http://youtu.be/-Brs4pIIGrg

 http://youtu.be/qnoNcVynv7I

 http://youtu.be/gf-DTYG3XLM

 http://youtu.be/iuw0D9cd2jw

 http://youtu.be/hJpBf3SozJg

 http://youtu.be/DLqGqwKF7Pg

 http://youtu.be/t250ShgbB4k

 http://youtu.be/D6oEEteCTCQ





 http://youtu.be/Z-J3VstPJBQ

 http://youtu.be/rkxHGnJquaQ

 http://youtu.be/u9xWEb-B1EQ

 http://youtu.be/-reeHBi6CZM

 http://youtu.be/Z_1sMpbZFsw

 http://youtu.be/fk6xGC9Am3A





超音波を利用した、「ナノテクノロジー」の研究・開発装置
http://ultrasonic-labo.com/?p=2195

超音波システム研究所のコンサルティング
http://ultrasonic-labo.com/?p=2187

超音波による表面弾性波の制御技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=5609

超音波<発振制御>技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=5267

超音波測定解析の推奨システム
http://ultrasonic-labo.com/?p=1972




洗浄システム(推奨)
http://ultrasonic-labo.com/wp-content/uploads/52cc97c1a13fd294f53af526edd69990.pdf

超音波テスターNA(推奨タイプ)
http://ultrasonic-labo.com/wp-content/uploads/06d8809b57609380ea2fdcc654dfda68.pdf

超音波洗浄資料(抜粋)
http://ultrasonic-labo.com/wp-content/uploads/4b10b044100130815368b1dc57220eda.pdf

新しい超音波
http://ultrasonic-labo.com/wp-content/uploads/04f7d34712031a85107f74d7fd83a4cf.pdf






  


Posted by 超音波システム研究所 at 09:02Comments(0)超音波技術

2016年11月26日

超音波洗浄器の利用技術

超音波洗浄器の利用技術

超音波システム研究所は、
超音波のキャビテーション制御技術を応用した、
表面改質技術を超音波洗浄器に適応させる方法を公開しています。





超音波とマイクロバブルによる表面改質効果により
 高い音圧レベルによるキャビテーション効果や
 液循環による加速度効果を制御して
 効率の高い超音波洗浄器の利用を可能にします。

上記の処理方法について
   具体的な方法を提供します。

 超音波の伝搬状態の測定・解析技術を利用した結果、
 洗浄器の水槽部分に対して
 音響特性の改善を確認しています。






■水槽の表面改質

 http://youtu.be/QXwNImzdItA

 http://youtu.be/TT_KzLtnFrQ

 http://youtu.be/T4UqsexL9H8

この動画のように
 水槽の表面改質と脱気マイクロバブルの利用で
 効果的な利用が可能になります。

 http://youtu.be/whZa-zcycrk

 http://youtu.be/J54qH40O87g

 http://youtu.be/q1LPbMXblGU

 http://youtu.be/3TabiBNrwOY

 http://youtu.be/An88nH6TWJE

 http://youtu.be/8pTvp4Ozhe4

 http://youtu.be/G279dTSpxQg






 http://youtu.be/9ebTks3UXXM

 http://youtu.be/3BkLcbv5tGM

 http://youtu.be/uGMDR20m5jk

 http://youtu.be/0szHFJPMkDQ

 http://youtu.be/K-mdi9oe9OY

 http://youtu.be/Qjk6LNryWww

これは、超音波による表面処理技術の応用であり、
 音響特性による一般的な効果を含め
 新素材の開発、攪拌、分散、洗浄、化学反応実験・・・
 に大きな特徴的な固有の操作技術として、
  利用・発展できると考えています。










  


Posted by 超音波システム研究所 at 05:15Comments(0)超音波技術